組曲「アルルの女」

第21回定期演奏会で2曲目に演奏いたします 「アルルの女」は 36歳の若さで亡くなったフランスの作曲家 ビゼーの作品です。

ビゼーは今でこそフランスを代表する作曲家ですが、今のような高い評価を得られる直前に亡くなってしまいました。現在オペラの代名詞と呼んでも良い「カルメン」も初演当初は不評(主人公が女労働者で時代を先行しすぎ?)で、その3カ月後に敗血症で亡くなった為、その後のカルメンの大ヒットも知ることは出来ませんでした。

「アルルの女」は、オペラではなくドーデの戯曲「アルルの女」の劇用の付随音楽として作曲された全27曲の中から選曲された2つの組曲からの抜粋です。

劇場用に小編成で作曲したものを、翌年通常のオーケストラ用にビゼー自身が選んで編曲したのが第1組曲です。

一方、第2組曲はカルメンのウィーン初演に向けたグランドオペラ向け改変も担当した友人のギローが、ビゼーの死後に編みました。但し一番有名なフルートソロの「メヌエット」は歌劇「パースの娘」から転用されました。管弦楽法に優れたギローがビゼーの名を広めるのに大きく貢献したのはもっと評価されても良いかもしれません。この組曲のヒットも死後3年経ってからのこと。

またオーケストラには珍しいアルトサックスが編成に含まれているのが特徴です。ベルギーの楽器製作者アドルフ・サックスが1846年にパリで特許を得たばかりの新しい楽器をソロ楽器として採用しています。

今回は第1組曲より「前奏曲」「アダージェット」「カリヨン 」の3曲を、第2組曲より 「間奏曲」「メヌエット」「ファランドール」の3曲をお届けします。

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