喜歌劇「こうもり序曲」

第21回定期演奏会で演奏いたします「こうもり序曲」は「美しき青きドナウ」など、ワルツ王として名高いヨハン・シュトラウス2世の楽しいオペレッタ(喜歌劇、小オペラ)の開幕を告げるファンファーレのような序曲です。

重厚で悲劇的な趣のオペラ(歌劇)に対し、より庶民的でコミカルかつ風刺的なオペレッタは歌と音楽だけでなくバレエやワルツなど踊りの演出も多いです。やがて海を渡りポップス、ダンス、ジャズまで吸収して歌と踊りの新たなジャンル、ミュージカルに発展していきました。

この喜歌劇「こうもり」は、音楽の本場ウィーンでは恒例の年末行事として公演されるオペレッタの代表作です。内容は仮装パーティーに出かけ「こうもり」の仮装のまま酔いつぶれ街中に恥を晒した主人公ファルケが、置き去りにした友人アイゼンシュタインに一泡吹かせてやろうとするドタバタ劇です。涙あり、笑いありで吉本新喜劇に相通ずるものがあります。

序曲は様々なシーンが走馬灯のように入り乱れ、オペレッタ全体を圧縮した楽しい曲で、演奏する側は速着替えで演技する役者さんの気分になります。

今回の演奏会は、そんな華やかな曲からのスタートです。